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Web制作会社必見!損しないWeb制作業務委託契約書の作成方法
”Web制作業務委託契約書”の重要性や利用目的はあまり理解されていません。
「あの時契約書を作っておけば・・・」
既にクライアントさんとトラブルになったWeb制作会社様が、相談時にこのようなことを仰ることがあります。
ビジネスではスピード感も大事ですし、トラブルが起きないことを前提に取引を進めていることも多いと思うので、制作に関する契約書を作成しないこともあるでしょう。
しかし気をつけて下さい。
契約書作成の手間を省いてしまうと、トラブルとなった場合に、その手間より多大な負担がのしかかってきます。
そのような事態を避けてもらえるよう、今回はWeb制作会社様向けに、業務委託契約書を作成方法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が書きました。
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1、Web制作業務委託契約書を作成しておくメリット
まだ制作業務でのトラブルを経験した事がない会社の方だと、「制作前に契約書を作成するなんて相手を疑うみたいでヤダ」「契約書を作成することがめんどくさい」と思いがちでしょう。
しかし、契約書がないとこんなトラブルに見舞われるかもしれません。
- 入金予定日になっても制作費・金額を支払ってもらえない!
- 納品後に減額交渉された!
- 何度も修正作業を要求される!
- 支払い時期の認識が違った!
- 納品後かなりの期間が経ってから不具合修正の対応を要求された!
- 自社の制作物を流用された!
きちんとした内容の契約書を作成しておけば、これらのトラブルを回避することができます。
では、しっかりとした制作業務委託契約書はどのように作ればいいのか?
具体的にみていきましょう。
2、業務委託契約書作成の流れ
まずは、業務委託契約書作成の流れについて知っておきましょう。
(1)契約の内容について話し合い
まずは当事者で契約の内容について詰めましょう。
話し合いをする内容はおおむね以下の通りです。
①受託者の制作物の仕様
仕様については後々トラブルとならないよう、細かい部分まで詰めておきましょう。
例えば、内部SEO対策の内容や、盛り込むシステムなどを具体的にメモして残しておきましょう。
②制作物の納期
仕様を決めたら次は納期です。契約書上は明記しなくてもよいかもしれませんが、決まっているのであれば、明記しましょう。
受託者が委託者に対して検査を依頼する日程なども決めておくとよりトラブルになりにくいでしょう。
③制作物の対価の金額
制作物の対価として、委託者が受託者に支払う金額を決めておきましょう。
④契約期間
受託者が業務としてホームページの更新や保守管理を受託する場合には、継続的な業務となるので、契約期間を決めておきましょう。
SEOを受託する場合についても同様です。更新についても決めるのを忘れないようにしましょう。
⑤継続業務について委託者が受託者に支払う金額
継続的な業務については、月額の委託料についても決めておきましょう。
⑥受託者の報告義務
どのタイミングで業務について委託者に報告するかなどを決めておきましょう。
⑦委託契約により発生した成果物の知的財産権の所在と権利移転のタイミング
委託によりメインの制作物を含めて成果物が発生することは多くあります。
その所有権と知的財産権の所在とそれらの権利が移転するタイミングは事前に決めておきましょう。
⑧契約締結後の仕様変更の可否と変更の方法
制作を進める過程で内容を変更しなければならなくなることもあるでしょう。
そこで、そもそも仕様を途中で変更することができるか否かと、変更の方法について決めておきましょう。
⑨制作物ができた時の委託者による検査の方法について
制作物ができた時、欠陥がないか委託者がチェックする義務・方法について決めていきましょう。
チェックする期間なども決めておいた方がよいでしょう。
⑩制作物に不備があった場合の対応について
制作物に不備があった場合、委託者と受託者のどちらの負担で修正するかを決めておきましょう。
⑪受託者が業務を第三者に任せてもよいかどうか
受託者が制作業務等を第三者に任せてもよいかについて書いておきましょう。
⑫業務遂行のあたり必要となる費用(画像などの素材の費用)を誰が負担するか
制作物の作成にあたり、画像などを購入する必要も出てくるでしょう。
その費用を誰が負担するかについても明記しておきましょう。
⑬契約を解約できる場合とその方法
契約を解除について、いつまでにどちらからできるかと、その方法について書いておきましょう。
(2)業務委託契約書の作成
話し合いの内容をもとに業務委託契約書の作成作業に入りましょう。
このとき、「どちらが契約書を作りますか?」という話になるかと思いますが、有利な契約書を作成するには実務面でもイニシアティブを取るべきでしょう。
こちら側で作成するようにしましょう。
(3)相手方にて契約書の内容に問題がないかの確認と修正
作成した契約書の内容に問題がないか相手方に確認してもらいましょう。
相手方に修正を求められたら、もう一度相手方と話し合い、契約の内容を確定させましょう。
(4)作成した業務委託書を製本するには?
作成した業務委託契約書を製本する作業に入りましょう。
契約書は2通作成し、一方に収入印紙を貼りましょう。
業務委託契約書には収入印紙を貼りましょう。
貼るのは2通のうち1通のみで大丈夫です。
2、Web制作の業務委託契約書の雛形ダウンロード
Web制作の業務委託契約書をイチから作成するのは手間でしょう。
そこで業務委託契約書の雛形をご用意しました。
3、Web制作の業務委託契約書の作成方法
いよいよ作成作業に入りましょう。
パソコンでWordなどのテキストソフトで作成していくとよいでしょう。
基本的には話し合った内容を文字として反映させていく作業となります。
(1)契約書名の記載
最初に契約書名を書きましょう。
「業務委託契約書」と書いておけば十分ですが、より具体的に「WEB制作業務委託契約書」「ホームページ制作業務委託契約書」と書いてもよいでしょう。
(2)契約締結の事実
次に契約当事者の正確な名前(「株式会社」や「有限会社」などの記載は忘れがちなので気をつけましょう。)を書いて契約締結の事実を書きましょう。
(3)委託業務の内容・制作物の仕様
いよいよ契約書の本文に入っていきます。
①委託業務の内容
まずは委託業務の内容について書いていきましょう。
ホームページの制作業務やSEO対策など、制作業務と継続的業務について全ての業務について具体的に明記しましょう。
②制作物の仕様
WEB関連の制作業務委託契約でトラブルとなりやすい事例の一つに、制作物の仕様を明記していなかったために起こる認識の違いがあります。
例えば、委託者側としては問い合わせフォームを作ってもらうつもりだったのに受託者は制作する必要がないと認識していたような場合です。
このようなトラブルを避けるためにも仕様を明記しておきましょう。
内容が多ければ「別紙の通り」とする等して、無理に一つの条文に入れなくてもよいでしょう。
(4)委託業務の遂行方法
受託者が善管注意義務(業務を委託された側の職業や専門家としての能力、社会的地位を踏まえて一般的に期待される注意義務)を負うことを記載します。
(5)業務委託料・業務遂行に伴う費用
業務委託料について、金額、支払日及び支払方法を記載します。
この時、1回払いで受け取る費用と毎月月額で受け取る費用は分けて記載しましょう。
また、業務遂行に伴う諸費用をどちらが負担するかも明記しておくとよいでしょう。
委託者がきちんと期日までにお金を支払ってくれるよう、遅延損害金についても明記しておきましょう。
(6)納品期限・契約期間・契約更新
①納品期限
受託者がいつまでに納品しなければならないかを明記します。
②契約期間
継続的業務がある場合に、契約がいつからいつまでなのかを明記します。
契約の更新については、どのような場合に契約が更新されるか記載しましょう。
例えば、「契約終了日の1ヶ月前までに当事者いずれからも契約終了の申し出がない場合には自動的に契約は1年間更新される」などです。
(7)再委託の制限
話し合いで「受託者はその業務を第三者に任せてはいけない」となった場合には再委託を制限する条項を設けましょう。
(8)著作権等の知的財産権の所在と移転のタイミング
制作物の著作権を含め、業務遂行の過程で知的財産権が発生するような場合、これを委託者と受託者のいずれが取得するかを明記しましょう。
もし、契約の途中(委託者からの代金支払いのタイミング)で権利が移転するような場合には、移転するタイミングも明記しておきましょう。
(9)受託者の報告義務
受託者が委託者に現在の業務の状況を報告する義務を明記しておきましょう。
(10)通知義務
会社名や受託者の振込口座など、重要な部分に変更があった場合に相手方に通知する義務を記載しておきます。
(11)秘密保持義務
委託者が損失を受けないように、受託者が業務上知り得た秘密を第三者に漏らさない義務を明記しましょう。
受託者にとって過度な負担とならないよう、例外的に秘密保持義務の対象とならない情報について明記しておきましょう。
また、必要に応じて例外的に秘密保持義務を負わない情報も記載しましょう。
(12)検査
一度納品がされたとしても、委託者としては、受託者が制作したものが当初話していた仕様と合致しているかをチェックする必要があります。
委託者側でチェックする旨記載しておきましょう。
また、検査の結果の通知方法も明記しましょう。
(13)検査不合格時の措置
もし、制作物が仕様と異なっていた場合に受託者が修正する旨記載しておきます。
(14)瑕疵担保責任
検査合格後に不備が発見された場合の対処方法について書いておきましょう。
(15)損害賠償義務
委託者と受託者が、それぞれ契約に違反して相手に損害を与えた場合に、損害賠償の義務を負うことを明記しましょう。
(16)解約
委託者が契約を解約できる旨書いておきましょう。
解約された場合に受託者が不利とならないよう、制作した範囲で委託料を請求できる旨明記しておきましょう。
(17)契約終了後の処理
契約終了後に、受託者がどのような処理をすべきかについて明記しておきましょう。
例えば、制作委託契約の場合において、成果物が制作中である場合に、制作中のまま委託者に納品するなどです。
(18)裁判管轄
もし、裁判になった場合にどこの裁判所を管轄として定めるかを記載しましょう。
(19)協議
契約書に書いてない事項について争いとなった場合に、話し合いで解決することを記載します。
まとめ
今回はWeb制作の業務委託契約書について書いていきましたがいかがでしたでしょうか?
ご参考頂ければ幸いです
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※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています