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ビジネスロイヤーとは?弁護士が気になる5つのことを解説!
ビジネスロイヤーを取り上げたドラマが近年放送されていました。
個人の方にとっては、弁護士といえば、刑事事件や離婚問題で活躍しているイメージがあるかもしれませんので、今回は、個人の方にはあまり馴染みのない、企業の問題を扱う弁護士の姿を紹介したいと思います。
1、ビジネスロイヤーとはどのような弁護士のこと?
ビジネスロイヤーを一言で説明すると、企業法務を主に取扱う弁護士のことです。
そして、企業法務とは、企業活動に関わり、企業のために行う法律事務のことで、明確な定義があるわけではありませんが、商取引・契約法務、コーポレート(企業活動が法令・規則等に抵触しないかの判断等)、M&A、危機管理、上場支援、ファイナンス、税務、知的財産、労務、国際法務、事業承継、事業再生、訴訟・紛争対応、倒産処理などがあります。
以上のとおり、およそ企業に関する法律事務は、企業法務に該当するということになります。なお、企業法務に含まれない法律事務としては、個人の方が依頼者となる一般民事(お金の貸し借り・不動産問題・損害賠償等)や家事事件(離婚や相続等)、刑事事件があります。
2、ビジネスロイヤーの仕事内容は?
ビジネスロイヤーの仕事内容は、およそ企業に関する法律事務で、主な内容は、1に記載したものになります。そして、ビジネスロイヤーの多くは、法律顧問先である企業からの依頼に基づいて、企業法務を取扱います。
また、司法制度改革による弁護士数の増加に伴い、企業の外側から企業法務を取扱うのではなく、従業員として企業に入社し、法務部等で活躍する企業内弁護士が増加を続けています。
ビジネスロイヤーと企業内弁護士との違いとしては、企業の外で業務を行うか、企業の中で業務を行うか、という点があります。また、新規ビジネスの適法性チェックという業務を例にすると、ビジネスロイヤーの場合、適法性に関するリスクの指摘・改善点の提案等が業務ですが、企業内弁護士の場合、法的リスクを踏まえて、新規ビジネスを行うかどうかという判断まで要求されることになります。
3、ビジネスロイヤーの年収は?
ビジネスロイヤーの年収については、弁護士登録の年数、抱えている依頼者の数によって、大きな幅があります。ただし、ビジネスロイヤーが多く集まる法律事務所の登録1年目の弁護士の年収は、1,000万円を超えると言われています。
もっとも、年収が高い分、登録1年目から、相当な激務となっています。ビジネスロイヤーの仕事は、「9時~5時」と言われることがあります。これは、朝の9時から翌日の朝5時まで業務に追われることを例えたものです。このような激務に耐え、同期との競争に勝ち抜けば、登録5年目くらいから、海外のロースクール等への留学の機会が与えられ、海外の弁護士資格、現地の英語スキルを獲得し、更に業務の分野を広げることが可能となります。
4、ビジネスロイヤーになる方法は?
ビジネスロイヤーになるためには、多数の法律顧問先を抱えていて、企業からの依頼を日常的に取り扱っている法律事務所に入所することです。
特に、企業法務を専門にしている法律事務所では、司法試験の合格発表前から就職活動が始まるため、そのような法律事務所で働くことを希望している場合には、法科大学院時代にインターンシップに参加する、司法試験終了後にサマークラークに参加することで、ビジネスロイヤーの仕事を体験することができます。
5、ビジネスロイヤーが多く集まる法律事務所は?
企業法務を専門にした法律事務所としては、以下の法律事務所が有名で、四大法律事務所と呼ばれています。
- 西村あさひ法律事務所
- アンダーソン・毛利・友常法律事務所
- 森・濱田松本法律事務所
- 長島・大野・常松法律事務所
また、四大法律事務所にTMI総合法律事務所を加えて、五大法律事務所とも呼ばれています。五大法律事務所は、いずれも所属弁護士数が300人を超えています。
また、企業法務専門ではなく、個人の方からも、企業からも、幅広く依頼を受けている総合法律事務所でも、日常的に企業法務を取り扱っています。総合法律事務所としては、ベリーベスト法律事務所があり、個人事業主も含めると、法律顧問先は1,000社を超えています。
企業法務専門の法律事務所と総合法律事務所とでは、以下のような違いがあります。企業法務専門の法律事務所では、登録1年目から、大企業の案件等に関わる機会はありますが、あくまでも末端の内容にしか関与できません。また、企業法務専門の法律事務所では、弁護士の取扱分野が細分化されていて、弁護士経験を積んでも、同じような契約書を繰り返し作成するだけで、他の分野は扱ったことがないということも多々あります。
総合法律事務所でも、登録1年目から、いきなり主力として案件を処理するわけではありませんが、個人の方からの依頼もありますので、あまり複雑ではない案件の処理から、段階的に案件の処理を学び、徐々に企業法務の案件を取り扱うようになっていきます。また、総合法律事務所の場合、個人の民事事件・家事事件から、個人事業主、上場企業まで、幅広い案件を処理する必要がありますので、特定の分野だけというわけではなく、様々な分野の案件処理を経験することができます。
ビジネスロイヤーまとめ
今回は、ビジネスロイヤーの紹介をさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。ビジネスロイヤーを目指されている方、企業法務を法律事務所に依頼しようと考えておられる方のお役に立てば幸いです。
※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています