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企業様の新卒留学生の採用のお手続きについて
皆様の中には日本で学んだ留学生を採用される企業様もいらっしゃるかと思います。その際には在留資格変更の手続きが必要です。留学生は学生の時分では“留学”という在留資格で日本に在留していますが、就職して就労する際には就労資格への変更が必要になります。
以下は必要な在留資格の例です。
技術・人文知識・国際業務や高度専門職
この在留資格が該当するのは現場仕事を伴わない自然科学および人文科学の分野、および外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務になります。
創造性を必要とする業務である必要があり単純作業とみなされる業務では許可を得ることができません。
専門学校卒業生
学んだ学科に則した仕事への配属が可能です。
例:プログラミング等:システム開発
会計:総務部
ビジネスコミュニケーション:営業
大学および短期大学卒業生
学んだ学科に関連する幅広い分野への配属が可能です。
理系分野でも業務の内容によっては営業や総務への配属が可能の場合があります。
文系分野においても業務の内容によってはシステム開発等に従事することが可能な場合もあります。
技術・人文知識・国際業務の申請を行う際には従事する業務内容も重要ですが、報酬面についても日本人と同等の報酬を提示する必要があります。
ある程度の現場仕事を伴う仕事として『特定活動46』が2019年より新設されました。
特定活動46号
接客を伴う業務の場合は単純作業と見なされて技術・人文知識・国際業務の申請を行っても不許可となる可能性がありました。これを一定の要件を備えることにより、これまでは不許可となる可能性があった業務を行うことが可能となりました。
こちらの在留資格についても、正規社員としての採用と日本人社員と同等の給与で採用する必要があります。
特定活動46号の申請要件
1. 日本の4年制大学又は大学院を卒業し、学位を授与された者。
2. 日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有する者。
特定活動46号該当事例
・飲食店での就業
飲食店での外国人客、従業員への通訳を兼ねた接客業務や日本人社員と外国人従業員との間に入っての意思疎通のサポート、店舗管理業務等
・製造業での就業
工場のラインおいて日本語での意思疎通が不十分な外国人従業員と日本人従業員との間の意思疎通を円滑に行う業務、労務管理、品質管理等
・小売店での就業
小売店での外国人客への通訳を兼ねた接客業務、仕入業務等
・宿泊業での就業
宿泊施設での外国人への通訳を兼ねた案内や接客業務や施設の多言語案内やホームページの整備等
審査には6週間程度かかります。
*採用後のお手続きについて
外国人も社員として採用された後の手続きは基本的に日本人の従業員と変わりはありません。外国人雇用状況の届出がありますが雇用保険加入の場合はこの手続きにて完了します。
雇用保険被保険者とならない場合は別途外国人雇用状況届出書の提出が必要になります。
外国人の雇用についてご不明な点がありましたら是非ご相談下さい。
※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています