専門的な企業法務サービスが、この価格。月額3980円(税込)から顧問弁護士。

お問い合わせ

【公式】リーガルモールビズ|ベリーベスト法律事務所がお届けする企業法務メディア人事労務退職勧奨に応じない場合の対処法と弁護士へ相談するメリットを解説
専門的な企業法務サービスが、この価格。月額3980円(税込)から顧問弁護士。
ベリーベスト法律事務所の弁護士・税理士等からのサポートが受けられます。
企業法務のご相談も受付中。お気軽にお問合わせください。
電話受付時間:平日 9:30~18:00 土日祝除く

退職勧奨に応じない場合の対処法と弁護士へ相談するメリットを解説

2024年4月18日
退職勧奨に応じない場合の対処法と弁護士へ相談するメリットを解説

従業員が退職勧奨に応じない場合、当該従業員の処遇をめぐって企業側は丁寧な対応が求められます。

というのも、退職勧奨には強制力がないので、何かしらの問題を抱えた従業員がそのままの状態で企業に所属し続けてしまうからです。

そこで今回は、退職勧奨に応じない従業員への対応に困っている経営者や管理部門の方のために、以下の事項について分かりやすく解説します。

  1. 従業員が退職勧奨に応じない場合の対応策
  2. 従業員が退職勧奨に応じない時の注意点
  3. 従業員が退職勧奨に応じない場合に弁護士へ相談するメリット

1.従業員が退職勧奨に応じない場合の対応策

退職勧奨とは、企業が労働者に対して退職を勧める行為のことです。

退職勧奨はあくまでも労働者側の自発的な退職を促すものでしかないため、懲戒解雇処分のような強制力は存在しません。

それでは、従業員が退職勧奨に応じない場合に、企業側は辞めてもらうことを諦めるしかないのでしょうか。従業員が退職勧奨を拒否したケースの対応策について解説します。

(1)従業員が抱える問題点を解決するための期間を設ける

退職勧奨を実施したということは、従業員側が何かしらの問題点を抱えているということです。

そこで、従業員が退職勧奨に応じてくれないなら、一定期間を設けて退職勧奨の理由になった原因事実の解決を目指してみましょう。
退職勧奨に踏み出した根本原因を改善できれば、退職勧奨や懲戒解雇等について悩みを抱える必要はなくなります。

①能力不足の場合

指示した業務のミスが多い、何度指導しても改善が見込めないなど、従業員の能力不足が原因で退職勧奨をする場合、従業員が能力を発揮する環境を整えるための時間を設けましょう。

例えば、教育カリキュラムや専属の教育係を配置して当該従業員を再教育したり、従業員の能力に見合った業務を差配したり、部署異動をさせるなどの方法が考えられます。

②協調性に問題がある場合

従業員の協調性に問題がある場合にも、退職勧奨が問題になります。

無断欠勤や遅刻を繰り返す、業務指示を無視する、他の従業員との喧嘩が絶えないなどのトラブルが絶えない状況が挙げられます。

協調性に問題がある従業員が退職勧奨に応じない時には、当該従業員に繰り返し指導を継続したり、相性の悪い他の従業員とは別の部署に配置転換するなどの対処法を検討しましょう。

③上司との関係性に問題がある場合

中小企業や零細企業などの場合、社長や役員、上司などとの関係性に亀裂が入ったときにも、退職勧奨が問題になり得ます。
企業規模が大きければ配置転換などによって対処可能ですが、中小企業・零細企業では人間関係が閉鎖的・硬直的になってしまうため、部署異動をしたところで改善を見込むことができないからです。

特に、感情的なもつれが原因で退職に向けた話し合いが一切進まないという時には、丁寧に従業員との間で話し合いの機会を作りながら、場合によっては弁護士に退職勧奨の交渉を任せるのも選択肢のひとつでしょう。

(2)退職勧奨の条件交渉をして合意を引き出す

従業員が退職勧奨に応じない時には、相手方が退職に向けて合意をしたくなるような条件・インセンティブを提示してください。

例えば、退職金・解決金を上乗せして退職後の経済的不安を解消する、退職時期について従業員サイドの希望を聞くなどの方法が考えられます。

(3)転職支援をサポートする

従業員が退職勧奨に応じない場合、転職支援をするのも選択肢のひとつです。

例えば、グループ会社や関連会社、子会社など、融通が効く企業を紹介してみましょう。

自分ひとりで転職活動する負担を節減できたり、次の勤務先探しの不安がなくなれば、退職勧奨に応じてくれる可能性が高まります。

2.従業員が退職勧奨に応じない時の注意点

従業員が退職勧奨に応じない場合、企業側は慎重な対応をする必要があります。

ここでは、従業員が退職勧奨を拒否した時の注意点を4つ解説します。

(1)パワハラになるような退職勧奨交渉をしない

パワハラに該当する退職勧奨交渉は厳禁です。

暴力や暴言によって退職合意書にサインをさせたとしても、実質的には違法な解雇処分に該当すると判断されて、労働審判で解雇処分が無効と扱われかねません。

さらに、暴力や暴言などのハラスメント行為について民事の賠償責任を追及されるリスクがあるので注意が必要です。

(2)退職に追い込むような部署異動・配置転換をしない

退職勧奨交渉に失敗したからといって、従業員が退職に応じざるを得ないような不利益な取扱いをしてはいけません。

例えば、当該従業員が一切スキル・ノウハウを有していない部署に異動させたり、追い出し部屋に閉じ込めたりする行為が挙げられます。

これらの行為に及ぶと、従業員側から慰謝料請求をされる可能性があります。

(3)長時間行ったり、面談を繰り返したりしない

退職に合意しない従業員に対して、執拗な退職勧奨交渉を継続してはいけません。

例えば、退職勧奨合意書にサインするまで長時間個室に閉じ込めたり、退職勧奨に合意しない姿勢を明確に示しているのに何度も交渉の場を設けたりする行為は、損害賠償責任を追及される原因になるので注意が必要です。

基本的に、退職勧奨に対して従業員サイドが明確に拒絶の意思を示したときには、それ以上退職を勧める行為は避けるべきでしょう。

(4)懲戒解雇処分は最終手段だと理解する

退職勧奨に応じないからといって、いきなり懲戒解雇処分を選択できるわけではありません。

というのも、懲戒解雇処分は労働者の立場を一方的に剥奪するものなので、客観的に合理的な理由があり、かつ、社会通念上相当であると認められる場合でなければ、違法無効と扱われるからです。

懲戒解雇処分が合法的になるには以下の要件を満たす必要があります。

  1. 就業規則に懲戒規定の定めがあること、従業員に周知されていること
  2. 懲戒解雇事由に該当する行為があったこと
  3. 解雇権の濫用にあたらないこと
  4. 従業員に弁明の機会を与えていること

例えば、何度改善指導しても無断欠勤・遅刻癖が治らないとき、業務上横領などの重大な背信行為があったときには、合法的に懲戒解雇処分を下せる可能性が高いです。

これに対して、単純なミスを繰り返しているが企業側が改善指導をしていない段階や、ハラスメントをしている本人に対して事情聴取をしていない段階では、懲戒解雇に踏み出すのは現実的には難しいでしょう。

以上を踏まえると、退職勧奨に応じない場合に、それでも当該従業員に辞めて欲しいときには、懲戒解雇処分に向けた準備活動を進める必要があると考えられます。

懲戒規定に該当しているか否かの判断や、弁明の機会の設定など、法的にクリアするべきステージが多いので、可能な限り労働問題に強い弁護士の判断を仰ぎましょう。

3.  従業員が退職勧奨に応じない場合に弁護士へ相談するメリット

従業員が退職勧奨に応じない場合には、速やかに弁護士までご相談ください。

なぜなら、労使紛争に強い弁護士の力を借りることによって、以下3つのメリットを得られるからです。

  1. 従業員との間で丁寧に交渉を進めてくれる
  2. 退職勧奨をきっかけに労使紛争に発展しても対応を期待できる
  3. 合法的に懲戒解雇できる状況を作り出してくれる

(1)従業員との間で丁寧に交渉を進めてくれる

従業員本人が退職勧奨に対して前向きでない状況でも、弁護士が交渉を担当することで応じてくれる可能性が高まります。

例えば、役員や上司との関係が悪化して退職勧奨に至ったようなケースでは、感情的なもつれが原因で、そもそも退職勧奨に関する話し合い自体がまったく進まないというケースが多いです。
従業員側が話し合いの場に参加してくれなければ、条件提示などをする機会さえ設けることができません。

従業員としても、企業側の人間が直接交渉に参加するよりも、弁護士相手の方が安心して意見や考えをぶつけやすいはずです。

労働紛争に強い弁護士は、退職勧奨に至った経緯や改善策についての説明、解決金などの条件提示など、状況に応じた形で交渉を進めて、退職勧奨への合意を引き出してくれるでしょう。

(2)退職勧奨をきっかけに労使紛争に発展しても対応を期待できる

退職勧奨に関連して労使紛争が発展するケースは少なくありません。

例えば、退職勧奨の方法に問題があったことを理由に慰謝料請求をされたり、退職勧奨行為が実質的に違法な懲戒解雇処分であったことを理由に労働審判に発展したりすることが考えられます。

労使紛争に強い弁護士は、当事者間での交渉、労働審判、民事訴訟などのあらゆる労働紛争のステップに精通しています。
トラブルがどのような形で発展したとしても、常に適切な形で対応をして企業側に有利な状況を作り出してくれるでしょう。

(3)合法的に懲戒解雇できる状況を作り出してくれる

従業員が退職勧奨に応じない場合、問題行動等を一切改善できない状況なら、懲戒解雇処分が選択肢に入ってきます。

しかし、懲戒解雇処分は企業側がいつでも自由に下せるものではありません。

例えば、懲戒事由に該当する事実があるかを客観的に検証したうえで、当該従業員に対して丁寧に聴き取り調査を実施する必要があります。
また、過去の懲戒事案と比較して当該従業員に対する懲戒解雇処分が重過ぎないかも勘案しなければいけません。

後から懲戒処分が無効と扱われると、解決金や未払いの給与などの金銭的負担を強いられます。

弁護士は懲戒解雇処分を合法的な状態で実施できるような状況を作り出してくれるでしょう。

まとめ

従業員が退職勧奨に応じない場合、執拗に退職勧奨交渉を繰り返したり、いきなり懲戒解雇処分に踏み出したりしてはいけません。

退職勧奨に失敗した後、どのような対応をするとしても、企業側には慎重な対応が求められるからです。

当サイトでは、労使紛争における企業側の弁護実績豊富な法律事務所を多数掲載中です。
相談するタイミングが早いほど企業側に有利な状況を作り出すことができるので、信頼に値する法律事務所までお問い合わせください。

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

ベリーベスト 法律事務所弁護士編集部
ベリーべスト法律事務所に所属し、企業法務分野に注力している弁護士です。ベリーベスト法律事務所は、弁護士、税理士、弁理士、司法書士、社会保険労務士、中国弁護士(律師)、それぞれの専門分野を活かし、クオリティーの高いリーガルサービスの提供を全国に提供している専門家の集団。中国、ミャンマーをはじめとする海外拠点、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも特徴のひとつ。依頼者様の抱える問題に応じて編成した専門家チームが、「お客様の最高のパートナーでありたい。」という理念を胸に、所員一丸となってひたむきにお客様の問題解決に取り組んでいる。
↑ページの先頭へ
0120-538-016
0120-538-016