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トランプ元大統領のアカウント凍結の法的根拠 ― 日本のユーザーの法的リスク

2021年1月25日
トランプ元大統領のアカウント凍結の法的根拠 ― 日本のユーザーの法的リスク

1.  米国Twitter社とFacebook社による元大統領のアカウント凍結と通信品位法230条

今回トランプ支持者と思われる集団による議事堂占拠事件が発生しました。
それに伴いTwitter社とFacebook社はトランプ元大統領のアカウントを凍結にしました。
両社による今回の処置については批判もありますが、法的には以下のようになっています。

米国通信品位法(communications decency act)230条によればサービス提供者はユーザーの書き込みに対して責任を負う必要がありません。
かついかなるユーザーもしくはサービス提供者も暴力わいせつ表現等を含む書き込みについて自発的に善意で行うアカウント凍結を含むアクセス制限をすることが認められています。

(c) Protection for “Good Samaritan” blocking and screening of offensive material

(1) Treatment of publisher or speaker

No provider or user of an interactive computer service shall be treated as the publisher or speaker of any information provided by another information content provider.

(2) Civil liability

No provider or user of an interactive computer service shall be held liable on account of—

(A)any action voluntarily taken in good faith to restrict access to or availability of material that the provider or user considers to be obscene, lewd, lascivious, filthy, excessively violent, harassing, or otherwise objectionable, whether or not such material is constitutionally protected; or

(B)any action taken to enable or make available to information content providers or others the technical means to restrict access to material described in paragraph(1).

まず、サービス提供社はそのユーザーによる書き込みについて責任を追う立場ではないことが定義されています。
そして、わいせつ、暴力的表現、嫌がらせ等の表現を含むコンテンツへの自発的に善意で行うアクセス制限は免責される((c) (2) (A))とあります。
条文にはwhether or not such material is constitutionally protectedと記載があり憲法で保護された権利に属するものも含むと書いてあり、これは表現の自由を侵してでもアクセス制限をして構わないということです。
よって今回ツイッター社がトランプ元大統領のアカウントを凍結したことは通信品位法230条の規定に則ったものになります。

その後、トランプ元大統領は支持者が多いと思われるParler社のSNSサービスにアカウントを開設しましたが、Parler社が契約していたアマゾンのAWSサービスの契約を停止され、サービス運用ができなくなりました。
これはAWSの利用規約に違反したとアマゾン側が判断したものと思われます。
以下twitter社とFacebook社、アマゾン社のAWSサービスの利用規約について見てみましょう。

2.Twitter社、Facebook社、AWS(アマゾン社)各社利用規約

Twitter社、Facebook社、AWS(アマゾン社)各社利用規約

Twitter社

Twitter社利用規約

twitter利用規約中のtwitter rulesの中に以下を含む表現を規制しています。

  1. 暴力
  2. テロ行為/暴力的過激主義
  3. 児童の性的搾取
  4. 攻撃的な行為/嫌がらせ
  5. ヘイト行為
  6. 自殺または自傷行為
  7. 写実的な暴力描写や成人向けコンテンツを含むセンシティブな画像/動画

Facebook社

Facebook社利用規約

規約中の“2.Facebookで共有可能なコンテンツおよび認められる行為“の中に以下の文言があります。
“本規約、コミュニティ規定、および利用者によるFacebookの利用に適用されるその他の規約やポリシーに違反する行為や情報。
違法行為、誤解を招く行為、差別的行為、または不正行為。知的財産権などの他者の権利を侵害する行為。
コンピューターウイルスもしくは悪意あるコードをアップロードする、または弊社製品の正常な機能もしくは表示を停止させる、過負荷をかける、もしくは損傷させる行為は禁止されています。
”そして最後に以下の記載があります“弊社はまた、Facebookに対する法的または規制上の悪影響を回避または低減するために合理的に必要であると弊社が判断する場合、利用者のコンテンツやサービス、情報へのアクセスを削除または制限することができます。”

さらにFacebookコミュニティ規定の中で暴力行為および犯罪行為について定義しています。

Facebookコミュニティ規定

暴力行為および犯罪行為

  1. 深刻度が高い暴力行為を意図する発言
  2. 深刻度が高い暴力の実行を望むような発言、または条件次第でそのような暴力を実行するとの発言
  3. 殺人のために人(殺し屋、傭兵、暗殺者など)を雇うサービスを求めるまたは提供するコンテンツ、または標的に対する殺し屋、傭兵、暗殺者の利用を擁護するコンテンツ
  4. 標的を誘拐した事実の告白、誘拐の実行を意図または擁護する発言、実行の呼びかけ、実行を望む発言、または条件付きでその実行をうたう発言
  5. 脅迫を以下のように定義したうえで、一般の個人、無名の特定人物、未成年の著名人、高リスク者または高リスクグループに対する深刻な傷害につながる脅迫(深刻度が中程度の暴力行為)
  6. 暴力行為を意図する発言
  7. 暴力行為を擁護する発言
  8. 標的は特定されていないが、標的を表すシンボルが含まれるコンテンツなど、深刻度が中程度の暴力行為を呼びかける表現
  9. 暴力の実行を望むような発言、または条件次第で暴力を実行するとの発言
  10. 一般の個人、未成年の著名人、高リスク者または高リスクグループ以外を標的としたコンテンツで、信憑性の高い以下の表現
  11. 暴力行為を意図する発言
  12. 暴力行為を呼びかける発言
  13. 暴力を擁護する発言
  14. 暴力の実行を望むような発言、または条件次第で暴力を実行するとの発言
  15. 脅迫を以下のように定義したうえで、一般の個人(本人からの報告が必要)または未成年の著名人に対する身体的危害につながる脅迫(または深刻度が低い暴力行為)
  16. 一般の個人(氏名と顔の照合が必要)または未成年の著名人に対する以下の内容
    • 深刻度が低い暴力行為について、その暴力行為を意図する発言や呼びかけ、その暴力行為を擁護する発言、その暴力行為を熱望するまたはそれに条件を付した発言
    • 文章や画像を用いて暴力の脅迫を加える処理がされた(頭部に標的、矢、銃などを加える)一般の個人または未成年の著名人の画像
  17. 攻撃される危険性が高いと認識されている指定グループのメンバーとされる個人、攻撃される危険性が高いグループのメンバーと家族関係もしくは恋愛関係を持つとされる個人、または攻撃される危険性が高いグループを支援する専門的活動を行っているとされる個人(政治家を除く)に関係する身元情報または場所を晒し上げるコンテンツ。
  18. 以下の手段により、人を死傷させることを目的とする武器の作成方法や使用方法の説明
  19. 目的を明確に述べる発言
    説明の一部として、重傷や死亡といった結末を示している、またはシミュレーションしている写真または動画 ただし、上記のコンテンツが、娯楽としての自己防衛、軍事訓練目的、商用ビデオゲーム、ニュース報道(ページで投稿したり、ニュースロゴを用いて投稿したりした場合)の一部である場合を除きます
  1. 爆薬の製造方法または使用方法の説明の提供
    ただし、暴力とは無関係の目的(商用ビデオゲーム用、明確な研究または教育目的、花火、特に漁業用など)であることが状況から明らかである場合を除きます
  1. 投票や有権者登録といった行為、あるいは選挙結果の管理を理由とした、暴力を意図する発言、暴力行為の呼びかけ、条件次第で暴力を行使するとうたう発言、暴力行為を望むような発言、または暴力の擁護を含むコンテンツ
  2. 宗教関連施設、教育施設、投票所、開票作業や選挙運営に使用される場所を含むがこれらに限定されない場所に武器を持ち込むこと(または他人に同様の行為を促すこと)について、当該行為を意図もしくは擁護する発言、当該行為を呼びかける発言、当該行為を望むような発言、または条件次第で当該行為を実行するとうたう発言

AWS

AWS アマゾン社利用規約

最初に“サービス利用者が本規約に違反した場合、または他人が違反することを許可もしくは助長した場合には、当社は、サービス利用者による本サービスの利用を停止または中止する可能性があります。”との記載があります。
続いて“違法、有害、不快な使用またはコンテンツの禁止”の記載があります。
Parler社の利用停止はこの条文によるものかと思います。

3.各サービスの準拠法

Twitter社およびFacebook社

  • アメリカ合衆国連邦法およびカリフォルニア州法

AWS

  • 合衆国連邦法及びワシントン州法

AWSブログによれば2017年11より日本準拠法の AWS カスタマーアグリーメント契約に変更が可能)

この様に、サービスにおいて争いがあった場合に日本の法律が適用されない場合があり、裁判管轄も日本でない場合が考えられます。
もしも海外の事業者のサービスをご利用されている場合は契約内容及び利用規約について今一度ご確認を頂くのがよろしいかと思います。

吉田広明
行政書士吉田 広明
専修大学商業学科卒業のちITデバイス系専門商社に勤務後行政書士試験合格後開業のちベリーベスト法律事務所入所。貿易とITソリューションの営業の経験から国内外のお客様のビジネスサポートを行っております。経験業務としては在留資格の取得、様々な営業上の許認可(建設業、医療法人設立等)
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