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気づいてからではもう遅い! 『事業承継』が、今、シニア経営者(オーナー)に大切な5つの理由(その2)

2019年5月30日
気づいてからではもう遅い!  『事業承継』が、今、シニア経営者(オーナー)に大切な5つの理由(その2)

前回(その1)は、「1.事業承継の基礎知識」、「2.事業承継を考えることが大切な5つの理由」、「3.事業承継の類型」の3点について説明しました。
今回は、実際に事業承継を相談する場合を想定して、「4.事業承継は誰に相談すればいいのか?」及び 「5.事業承継にかかる費用はいくらか?」 を説明し、最後に「6.まとめ」としたいと思います。

4.事業承継は誰に相談すればいいのか?

事業承継は、様々な事情やニーズに応じて、採るべき手法やスキームが異なってくるわけですが、一般の方が自分でこれを考えることは極めて難しいと思います。いったい誰に事業承継を相談すればよいのでしょうか?

(1)税理士

会社経営者にとって、もっとも身近な専門家と言えば顧問税理士ではないでしょうか?毎年法人税の申告でお世話になっていると思います。
何年ものお付き合いで、会社の事情や経営者の考え方も理解されていることでしょう。

しかし、実は、税理士だからといって、事業承継の経験や知識が豊富とは限りません。
相続税や法人税はもちろん、事業承継に関連する税制、例えば相続時精算課税制度や事業承継税制、定例的な税務申告ではあまり扱われないグループ法人税制、さらに信託税制にも通じていることが望ましいところです。

また、前にも述べたように、事業承継は、税金以外にも、法律や資金調達といった視点からも検討する必要があるため、法律や金融に詳しい弁護士やコンサルタントと連携できることも必須です。

(2)司法書士

司法書士は、登記や供託を行う際に代理人となり、裁判所や法務局等に提出する書類を作成し代理人として提出することのできる国家資格です。
不動産売買や遺産相続などで登記申請をお願いした方も多いのではないでしょうか。

事業承継では会社を設立したり、会社の登記を変更したりする場面で、司法書士にお願いする部分が少なくありません。
また、最近では、種類株式を用いた事業承継スキームや民事信託を利用した資産承継スキームを提案するなど、事業承継分野に積極的に関わられる司法書士も多く見られます。

ただ、やはり、法令や税務知識を駆使した事業承継の検討のためには、弁護士や税理士との協業は必須であると思います。
特に、司法書士は、業法との関係上、簡易裁判所の管轄外である訴額140万円を超える民事事件の相談、和解、代理を行うことができませんので、関係者との間で法的紛争になりそうな場合には、注意が必要です。

(3)弁護士

弁護士は、あらゆる案件を扱うことのできる法律の専門家です。
もちろん事業承継も取扱います。しかし、弁護士が取扱うことのできる領域が広いだけに、事業承継の知識や経験を有している弁護士は決して多いわけではありません。

また、事業承継案件では、弁護士もまた、税理士や金融のコンサルタント、司法書士や会計士といった他の専門家と協働することが必要となります。
そのため、そのようなネットワークを持っている弁護士や、様々な士業を抱えているような総合的な法律事務所でないと、事業承継案件を専門的に取り扱うことは難しいと思われます。

(4)相談の際の注意点

事業承継は様々な分野が関係しますので、事業承継を相談する相手は、ある意味、税理士でも、司法書士でも、弁護士でも、あるいは行政書士や会計士、コンサルタントでも構わないでしょう。
必要なのは、各専門家とのネットワークがあるか、そして事業承継案件に対する経験の豊富さです。

ここで注意いただきたいのは、事業承継案件を取り扱えると言っている専門家であっても、それが本当とは限らないということです。
専門家の多くがそうだとは言いませんが、専門家は、時に、相談を受けた分野について、経験がなくよく理解していなくても、その分野を知っているような“フリ”をすることが少なくありません。

事業承継は、最近になって活発に議論され、各士業が取扱い出している分野であるため、十分な経験や知識がない専門家が多いのが実態です。
相談内容は千差万別なのに、予め用意されたテンプレートや雛型に当てはめようとしたり、自分の知っているスキームに無理やり持って行こうとしたりすることがあります。そのような気配があれば、特に注意してください。

5.事業承継にかかる費用はいくらか?

事業承継にかかる費用を一概に説明するのは困難です。
案件の内容はそれぞれ異なりますし、適用する事業承継のスキームによって行うべきことも相当変わってきます。
また、取り扱う専門家によって報酬もそれぞれ異なるからです。

それでも、事業承継にかかる費用を、次のように大きく3つに分けてみると理解しやすいと思われます。

(1)公的機関に支払う定められた費用

例えば登記申請等で支払う登録免許税や、公正証書作成のために公証役場で支払う費用は、法律で定められ、公表されています。
そのため、誰がどこに依頼してもこの費用が変わることはありません。
金額は比較的明確なため、自らWebサイトで検索して調べたり、法務局や公証役場に問い合わせて調べたりして、簡単に知ることが可能です。

(2)税金

事業承継において資産の所有権を誰かに移動すれば、税金が課される可能性があります。
税金の金額や算定方法は、必ず法令等を根拠として定められています(租税法律主義)。
ただ、根拠となる法令や通達の内容は非常に複雑で、毎年のように行われる税制改正等によって頻繁に変更されます。
(1)の費用とは異なり、具体的なこと、詳しいことは、税理士に確認することになります。

(3)専門家に支払う報酬

税理士、司法書士、弁護士のいずれも、報酬が自由化されているため、統一的な料金表があるわけではなく、各税理士、各司法書士、各弁護士、そして各事務所によって報酬が異なります。

弁護士や司法書士は、料金表が事務所に掲示されたり備置かれたりしています。
しかし、事業承継の場合、構築するスキームによって、業務内容が変わってきますので、事務所ごとに料金表を比較してもあまり意味はなく、むしろいろいろな事務所に相談して、相見積を採る以外に比較する方法はないように思われます。

各士業や事務所によっては、事業承継に関わる対応業務を詳細に分けて、対応業務ごとの金額を表示して、お客様にわかりやくしようと努力されている場合もあるようです。
また、資産の価値の大きさによって報酬金額を変える方針の事務所もあります。
しかし、実際には掲げられている金額は、最低金額や目安でしかない場合がほとんどで、資産価値も算定してみなければわかりません。
結局は実際に相談してみて報酬額を確認するしかないのが現実ではないかと思います。

6.まとめ

会社の経営者にとって、事業承継を考えることは責務です。放置すれば、会社の機能停止や、後継者への大きな課税など、思いもしない問題が生じてしまうおそれがあります。また、時期が遅れれば、もっとも効率的で有効であった方策はもはや採れないということもありえます。

事業承継に取り組むということは、一生に何度もあることではありません。
ですから、「正に必要」となる前に十分検討して実施できるよう、前もって準備されることをお勧めします。

事業承継には専門家の協力が不可欠ですが、様々な士業・専門家と連携でき、事業承継案件の経験や知識が豊富という専門家は未だ少ないのが現状です。ぜひ慎重に選んでいただければと思います。

ベリーベストグループは、180名を超える弁護士に加え、司法書士、税理士、そして金融コンサルタント等が在籍する専門家集団です。
経験豊富な専門家が連携し、事業承継に必要なあらゆる専門分野をカバーしたワンストップサービスを提供しております。事業承継に関するお悩みがあれば、ぜひご相談ください。

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

弁護士長谷川 裕史
ベリーベスト法律事務所パートナー。1995年慶應義塾大学法学部を卒業し、同年司法試験合格。1997年慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了後、最高裁判所司法研修所に入所。1999年司法修習修了後、2002年までキャピタルマーケッツ法務を中心に扱う法律事務所に在籍。その後慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應ビジネススクール)にて経営を学び、2004年修士(MBA)取得。東証一部上場会社の法務担当部長を経て、2005年2月から2018年までキャラクターコンテンツ会社にて勤務。順次、経営企画・海外事業・ライセンス・商品・人事・システムの部署長となる一方、2006年から2013年にかけては同社の韓国法人を設立し、理事及び代表理事として現地駐在。2018年2月にベリーベスト法律事務所に参画。ビジネス経験を生かして企業法務中心に従事。事業承継案件は、年間30件以上を担当しています。

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