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労働審判で会社はダメージを受ける?早期解決を目指す理由と弁護士へ相談するメリットを解説

2023年11月9日
労働審判で会社はダメージを受ける?早期解決を目指す理由と弁護士へ相談するメリットを解説

従業員に労働審判を申し立てられると、手続き遂行の負担を強いられたり、労使紛争が拡大するリスクに晒されたりするため、会社側に一定のダメージが生じるのは間違いありません。

もっとも、「労働審判の仕組みを上手に活用すれば、労使間のトラブルを早期に解決できる」というメリットを得られるのも事実です。

未払い残業代や不当な懲戒処分の問題をいつまでも放置し続けることと比べると、従業員側から労働審判を申し立てられたタイミングで労働問題を解決してしまった方が、企業経営の健全化に資すると考えられるでしょう。

そこで今回は、

  • 労働審判によって会社に生じるダメージの内容
  • 労働審判で会社に生じるダメージを軽減する方法
  • 労働審判を申し立てられたときに弁護士へ相談するメリット

などについてわかりやすく解説します。労働審判を申し立てられた後、悠長にしていると、答弁書の準備等に割く時間が足りなくなってしまうので、できるだけ早いタイミングで労働問題に強い弁護士までご相談ください。

1.労働審判とは

労働審判とは、「個別労働関係民事紛争について、個別具体的な事情に即して、迅速・適正かつ実効的に解決するための手続き」のことです(労働審判法第1条)。

個別労働関係民事紛争とは、「個々の労働者と事業主との間の労働関係のトラブル」を意味します。
たとえば、懲戒解雇処分の効力や、賃金・退職金の不払い、未払い残業代に関する紛争などが、労働審判の対象です。

労働審判は当事者(主に従業員側)からの申立てによって手続きが開始します。労働審判官(裁判官)1名と労働審判員で構成される「労働審判委員会」が手続きの舵を握り、当事者間で調停が成立しそうなら和解を促し、調停が不成立に終わるなら労働審判によって審判を下す、という流れです。

なお、通常の訴訟手続きと比較すると、労働審判手続きの方が迅速かつ事案に即した柔軟な解決を期待できる点でメリットが大きいでしょう。

2.労働審判を起こされたときに会社に生じるダメージ

従業員から労働審判を起こされたとき、会社には以下のダメージが生じると考えられます。

  • 訴訟手続きに移行するリスクに晒される
  • さまざまなコスト負担を強いられる
  • 労働審判の結果次第では、他の労使紛争を誘発する危険性がある
  • 会社に対する信用が低下する

(1)訴訟手続きに移行するリスクがある

労働審判において調停不成立で、かつ、労働審判の内容に対して異議が申し立てられた場合には、訴訟手続きで労使紛争が継続する可能性があります。

訴訟に移行した場合には労働審判における証拠資料等がそのまま引き継がれるので、新たな資料を提出する過度な負担は強いられませんが、数カ月に1回ペースで開廷される口頭弁論期日において証拠調べ手続きや弁論手続きが慎重に進められるので、紛争の長期化を招きます。

たとえば、労働審判手続きなら、原則3回以内の期日で終了し、平均審理期間は80.6日で済むところ、訴訟手続きに移行すると、判決確定までに1年以上を要する可能性も否定できません。

健全な企業経営を目指すなら、訴訟を抱えた状態は避けるべきです。上場審査やM&A前のデューディリゲンスなどにおいても、訴訟は財務状況にも影響を与えるため、存在していると障害になります。
労働審判の実績豊富な弁護士に相談をして、短期間での労使紛争解決を目指しましょう。

(2)さまざまなコスト負担を強いられる

従業員に労働審判を申し立てられた以上、審判手続きへの対応は不可欠です。

たとえば、弁護士に依頼するにしても、弁護士費用(相談料・着手金・成功報酬など)や裁判所に支払う費用などの金銭的負担が発生します。

また、労働審判を申し立てられた場合、第1回期日が「労働審判手続きの申立てがなされた日から40日以内」に指定され(労働審判規則第13条)、しかも、「申立人が再反論をするために必要な時間を置いた期限」までに答弁書の提出を求められるので(同規則第14条第2項)、答弁書の準備期間として2~3週間しか与えられません。
限られた制限時間内で、社内協議や弁護士への相談、証拠資料の準備などに対して集中的に人的コストを投じざるを得ないでしょう。

さらに、労働審判の結果、解決金などの支払いを強いられる可能性もあります。

(3)他の労使紛争を誘発するリスクも生じる

労使間の紛争内容次第では、労働審判を申し立てた従業員以外の労使紛争を誘発するおそれもあります。

たとえば、未払い残業代請求に関する労働審判が申し立てられて審理が行われた結果、会社内の勤怠管理体制に問題があることが判明し、従業員に対して残業手当・深夜労働手当・休日出勤手当などの支払い義務があることが確定的になったとしましょう。
この場合、他の従業員からも労働審判を申し立てられると、それぞれに対して解決金などを支払わなければいけません。

もちろん、労働基準法違反を生じた原因である勤怠管理体制は抜本的に見直す必要がありますが、同時に、労働審判を申し立てた従業員との紛争の早期解決は不可欠です。
スピード感を意識した調停成立を目指すとともに、守秘義務条項を盛り込むなどの予防策を徹底しましょう。

(4)企業に対する信頼が低下する

労働審判を申し立てられるような事態が社内や外部に知れ渡ると、会社の信用に傷がつきます。

たとえば、不当な懲戒解雇処分を下したことが社内で噂になると、人事担当者や経営陣に対する社内の評判は失墜するでしょう。
また、労働基準法違反の実態が報道されたりSNS等で炎上したりすると、企業に対する社会的信用も失われかねません。

これらのダメージを回避するには、労働審判を申し立てた従業員が労使トラブルを第三者に告発する前に穏便な解決を実現する必要があります。
労働審判手続きのなかで調停成立を達成すれば当事者間での民事的解決に成功するので、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談をして、従業員からの合意を引き出せる条件を模索してもらうべきでしょう。

3.労働審判で会社に生じるダメージを軽減する方法

労働審判によって会社に生じるダメージを軽減するには、以下の方法が効果的です。

  • できるだけ早い段階で弁護士に委任する
  • 会社内の労務管理体制の問題点を改善する

(1)労働問題に強い弁護士へ相談をする

従業員から労働審判を申し立てられた場合には、できるだけ早いタイミングで労働問題に強い弁護士へ相談することをおすすめします。

なぜなら、弁護士への相談によって以下のメリットが得られるからです。

  • 調停成立によって可能な限り早期の紛争解決を目指してくれる
  • 秘密保持条項や誹謗中傷禁止条項などのリスクヘッジ策を盛り込んでくれる
  • 答弁書や証拠書類の準備、期日における口頭での質疑応答対策に力を入れてくれるので、従業員からの請求に対して的確な防御活動を展開できる

なお、弁護士に依頼するとなると、「弁護士費用」が負担になるのではないかと懸念を抱く経営者の方も少なくはありませんが、労働審判による短期決戦で早期の紛争解決を実現できれば、訴訟手続きに移行した場合よりも大幅に費用を抑えることができます。

(2)社内の労務管理体制を見直す

従業員から労働審判を申し立てられた場合には、当該従業員への対応だけではなく、社内の労務管理体制や勤怠管理体制などを根本的に見直してください。

というのも、労働審判を申し立てられるということは、会社側が何かしらの問題点を抱えている可能性が高いからです。
たとえば、解雇処分の効力を争われた場合には、解雇に向けた手続の進め方として、社内プロセスが誤っていないかを再検討する必要があります。
また、未払いの残業手当を請求された事案の場合、36協定の特別条項の内容や勤怠管理体制、業務の配分方法や各部署における人員配置バランスなどを総合的に見直すべきでしょう。

労働問題に強い弁護士へ相談をすれば、バックオフィス部門の在り方や就業規則の改訂、社内手続の構築、企業経営に踏み込んだ具体的なアドバイスを期待できます。
労働審判を申し立てられるような事態を予防するためにも、企業経営や労働問題に強い弁護士の意見を積極的にご活用ください。

まとめ

労働審判は会社にダメージをもたらすものですが、その一方で、上手に労働審判手続きのシステムを利用すれば、労使紛争の早期解決を実現できるものでもあります。

従業員から労働審判を申し立てられた以上、すみやかに労働問題に強い弁護士へ相談をして、答弁書準備などの防御活動に尽力してもらうべきです。

さらに、顧問契約などの締結によって定期的に弁護士からのチェックを受けておけば、労働基準法違反などの懸念がない盤石の体制を構築できるでしょう。

※この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

ベリーベスト 法律事務所弁護士編集部
ベリーべスト法律事務所に所属し、企業法務分野に注力している弁護士です。ベリーベスト法律事務所は、弁護士、税理士、弁理士、司法書士、社会保険労務士、中国弁護士(律師)、それぞれの専門分野を活かし、クオリティーの高いリーガルサービスの提供を全国に提供している専門家の集団。中国、ミャンマーをはじめとする海外拠点、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも特徴のひとつ。依頼者様の抱える問題に応じて編成した専門家チームが、「お客様の最高のパートナーでありたい。」という理念を胸に、所員一丸となってひたむきにお客様の問題解決に取り組んでいる。
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