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中国電子商取引法が越境ECに与える影響

2019年3月25日

1. 概要

近年中国における電子商取引(EC)は急速な発展ぶりを見せており、人々の日常の生活に欠かせない存在となってきています。
電子商取引の市場規模は、2012年の1.3万億元から2017年には7.2万億元まで拡大していると言われています。
その中でも、象徴的なイベントは、中国の「独身の日」と言われる11月11日に行われるアリババのビックセールは毎年売上高を更新し続けており、2018年は308億ドルという驚異的な取引額になりました。

ただし、電子商取引の急速な発展に伴い、偽物、欠陥商品の販売、虚偽宣伝広告、個人情報の不正な収集使用、電子商取引業者間の不当な競争等の問題が氾濫し、電子商取引市場の秩序を正し、個人情報の保護、消費者権益の保護等のために、2013年12月に電子商取引法の立法作業が始まり、2018年8月31日に成立し、2019年1月1日から施行されました。

中国電子商取引法は全7章、89ヶ条から構成されています。
次に、中国の電子商取引法の全般を紹介した上日本企業が関心する越境ECに関する影響を分析します。

2.適用される範囲と対象

当該法律第2条の規定によれば、当該法律の適用範囲は中国国内とし、適用対象はインターネットを通じて商品販売あるいはサービスを提供する経営行為、すなわち電子商取引になります。

適用対象は、電子商取引経営者であり、具体的にはインターネットを通じて商品の販売あるいはサービスを提供する自然人、法人あるいは法人格のない組織であり、具体的に電子取引プラットフォームの経営者、電子商取引プラットフォームにおいて商品販売あるいはサービスを提供する経営者等を指します。

電子商取引プラットフォーム経営者とは、電子商取引の当事者間の独立した取引行為ができるように、インターネット上営業する場所を提供し、そのためのマッチング、そのた情報等サービスを提供する法人あるいは法人格のない組織を指します。
電子商取引プラットフォームにおいて商品販売あるいはサービスを提供する経営者とは、名の通り電子商取引プラットフォームを利用して、商品の販売あるいはサービスを提供する電子商取引経営者を指します。

3.権利義務規定

中国電子商取引法が規制している対象は主に電子商取引プラットフォームを経営しているものと、その中に出店して電子商取引を行っているものです。
二つの対象を同時に規制している場合、電子商取引経営者と呼び一般規定をもって規制しており、そうでない場合は具体的に名指しして規制を設けています。

(1)電子商取引経営者

①行政許認可取得義務

経営活動に行政許認可が必要な場合、それを取得すること。

②品質保証義務

販売する商品あるいはサービスは人身財産安全ないし環境保全に適合していること。

③経営許可明示義務

経営許可を目立つところに常時掲示すること。

④閉店告知義務

電子商取引を終了する場合、終了前三十日から目立つ場所に告知を継続的に行うこと。

⑤知る権利保護義務

消費者の知る権利と選択権の保護に努め、虚偽宣伝、欺罔等によって消費者を欺瞞してはならない。

⑥平等な選択保護義務

消費者の選好に合わせた検索結果の提示を行う同時に、そうでないものの提示をすること。

⑦優位的地位の禁止

抱き合わせ販売は禁止し、また電子商取引経営者は市場優越的な地位を乱用してはならず、そのた不当な競争を行ってはならない。

⑧個人情報保護義務

個人情報の収集は法律法規の規定とおりに行うこと。

⑨その他許認可取得義務

越境ECを行うものは、輸出入関連及びその他法律法規等を順守しなければいけない。

(2)電子商取引プラットフォーム経営者

①管理義務

プラットフォームに出店する経営者の住所、連絡先、行政許可等の情報をファイル化して管理し、定期的に確認しなければならない。

②ネット安全保護義務

しかるべき技術を駆使し、ネット安全を保障し、電子商取引の安全に務めること。

③取引記録保管義務

取引記録は三年間保管し、その他法律規定ある場合それに従うこと。

④規約修正手続

プラットフォーム規約、取引規則等の修正は、目立つところに掲示し、意見募集を行わなければならず、修正に同意しないプラットフォームにおける経営者がプラットフォームから撤退する場合修正前の規約規則等に沿って対処し、妨げてはならない。

⑤安全配慮義務

プラットフォーム経営者がプラットフォームにおける商品、あるいはサービスが人身財産安全に適合しないあるいは消費者の権益を侵害する可能性があることを知っており、また知り得た場合でも対策をしていない場合、連帯して責任を負う。

⑥知的財産保護義務

知的財産権者から権利侵害を通知された場合、しかるべき対策を速やかに講じなければならず、怠った場合連帯して責任を負う可能性もあります。

上記のように、当該法律は今まで規制のなかった電子商取引を対象に、その商行為を規制することを目的としています。他方、国が電子商取引を促進することも謳っており、ないし越境ECに関してもその効率を上げるべき税関、税収、輸出入検査、電子支払管理制度を構築することを目標としています。

4.まとめ

中国の電子商取引法が中国における電子商取引プラットフォームにて販売されるすべての商品及びサービスに適用されるため、上記義務等は当然適用されることになります。
特に、販売者の行政許認可取得義務、製品品質保証義務、環境保護義務、ネット安全保護義務及び知的財産保護義務等に関して、販売者であるだけで課される義務であることに注意しなければなりません。

中国に対して越境ECを行うための行政許認可を取得しているか、輸出入関連許認可は済ませているか、自社の製品品質関連の強制認証を所得しているか等に関して、プラットフォームを経営しているカウンターパートナーの言い分のみではなく、ご自身でも外部の弁護士等専門家に相談するなり、入念に確認しながら進めていかなければならない時代になったと思われます。

額尓敦畢力格(Eredon Bilig)
中国律師(中国弁護士)
額尓敦畢力格 (Eredon Bilig)
ベリーベスト法律事務所中国弁護士。内蒙古大学法学部卒業。東京学芸大学外国人研究生修了。東京学芸大学大学院修士課程卒業。一橋大学大学院法学研究科博士課程(法学博士)卒業。国立台湾大学にて在外研究。対応言語はモンゴル語、中国語、日本語。近年、日本と中国間の交流はさまざまな分野でかつてないほど盛に。良質な法務サービスの提供を通じて、日中両国の交流に貢献したい。そのような気持ちで日々、中国法務に取り組んでいる。
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